くまごろうみたいなおっさんののりもの日誌

ハーレースポーツスターのぐうたら維持。

スポーク折れ。

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毎度おなじみ恒例のトラブルです。おそらくディレイラー巻込時のダメージの影響でしょう(過去記事「ブルーノヴェンチュラ」にて)。

走行時カシカシ音がするので発見。

さてどう直すか?これはポン付けというわけにはいかないようですが、挑戦したいですね。ホイール振れ取り器具は以前から欲しかったので入手のいいきっかけかもしれません。

スポークの一本一本が大事なものなんだなと実感しましたね。

いやーしかしこの車体、不可抗力なところもあるとは言え、何かに取り憑かれているのかと思わせるいろんなトラブル続き。

手放した方がいいのかという気にさせます。と言っても所詮は経済的、日常生活的に全く深刻になるような事態ではないので気楽なものですけどね。ここが自転車のいいところで、車やバイクなら大きく悩まなきゃなりません。

メンテの経験値を実践をもって少しずつ得ております。

 

話は変わりますがピアニストのフジコ・ヘミング、気づけばもう88歳なんですってね。びっくりです。嫁さんはずっと前からもう一度会わなければならないと言っていて、私はそれを聞き流してきていましたが、そんな歳ならさすがに顔を見ておかなきゃなあと少しは思いましたね。それで調べたらタイミングよく大阪に来るタイミングでして、これは縁ですね。

あっさりチケットも取れてしまい、まあ密室に集合するのを控える風潮のある時世であり又、大きなホールを満員にする集客力ももはや彼女にはないのだろうかと感じました。

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フェスティバルホールです。日曜の中之島辺りは空いているので車で行くのは苦ではないですね。地下駐車場があり30分300円でした。収容台数はさほど多くなさそうに見えましたがどうなんでしょう?

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この人と言えばといえばフランツ・リストの「ラ・カンパネラ」ですが、私はこの曲が好きではなく、演目にはドビュッシーラヴェルもあったので良しとします。このフランス印象派辺りは私が最も好きな作曲家たちなので。ちなみに私はバルトーク信奉者です。

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とまあそんなふうに気持的にある程度距離を保ちつつ会場に入ると、充分な換気を行って安全に対する配慮を最大限行っていますとのアナウンスとともに空席全くなしの満員の客席!圧倒されました!

フジコ・ヘミング恐るべし!

そして周りの服装を見ると皆がピアノの先生にしか見えません、フォーマルというよりはほんと、ピアノの先生風。男性は比較的ラフな服装でしたね、私もランニングの格好でしたし。

まあ私は利き演奏などできる者ではないので、だいたい好きな曲かそうでないかくらいでしか一喜一憂できないですが、それでも極めて人間らしいムラを見せつつの演奏が楽しかったですよ。抑揚がありラ・カンパネラに向かってだんだんピークを持ってくるような演奏に感じましたね。

はっきり言えるのはこの人、明らかに音符を間引いていますね。やっぱり音楽というのは音を足すよりも引く方が難しいわけで、いかに音を鳴らさないかという発想に私は共感します。音で埋めようとせずに空間をいかに利用するかですね。

何しろ自然に心地が良いと思えた2時間で、また機会があったら行きたいと思いましたね。なかなかそう思わせる演奏家はないと思います。すばらしい。

後日「フジコ・ヘミングの時間」というドキュメント映画を見て、これも素晴らしく心地の良い映像でした。当然この人はクセの強さがあり、あの歳で常にタバコをふかしている様子でしたが、とにかく達観した佇まいは見ていてストレスがありません。芸術というのは生き様が説得力を持つという良い見本だと思いましたね。

で、劇中で今も所有しているという愛車の写真が登場し、おそらくシトロエン2CVだと思うのですがこれを眺めながら本人「こんなにすばらしい車の製造をやめちゃうなんて何考えてるんでしょう」と言うのです。いやほんとその通りだと思いましたね。

 

芸術とは工業製品じゃないので、極めて優れた音楽教育を受けて論理的に最高の演奏ができるピアニストでも、還暦近くなって初めてピアノに触れて鍛錬を重ね、ラ・カンパネラが弾けるほどにまでなったとある海苔の養殖者の方が芸術的であるということだと思います。この場合、その人そのものが自然発生的な芸術と言うこともできそうです。少なくとも俗世間が感銘を受けるのは後者でしょう。

この人フジコ・ヘミングとテレビで共演してましたね。

 

ということでフェステバルホール、間違って自転車で汗だくで行かなくてよかったなあというところです。